フィンテック時代の毎月分配型投資信託

銀行窓口による投資信託販売が始まったころ、人気商品として販売の中心だったのが「グローバル・ソブリン・オープン」に代表される毎月分配型の投資信託です。

円預金が低金利ということもあり、「ただ預金にしておくのではなく、お金にも働いてもらいましょう」「100万円投資すると毎月~千円の分配金がもらえますよ」などの売り文句に魅せられ、購入した方も多いのではないでしょうか。

しかし、この毎月分配型投資信託、近年では良くない商品という意見が主流となっています。

理由は、

①毎月分配金を支払うため複利効果を得られず、運用効率が悪い

②分配金を支払うたびに無駄に税金をおさめている

投資信託の運用益以上の分配金を支払っているため、元本の取り崩し(いわゆるタコ足喰い)をしている

これらの指摘は事実であり、確かにそのとおりです。

しかしその一方で、将来、公的年金だけでは生活できないと言われる社会状況のなか、毎月分配金が支給される商品というのはとても魅力的です。

投資信託の投資対象である債権や株式そのものの価格変動や為替変動は当然として、元本の取り崩しを行わず運用益の範囲内で既存の毎月分配型投資信託並に分配金を支給する商品はないだろうか?

そんな思いで投資信託を探し、1つ商品を購入してみました。

グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型):日興アセットマネジメント です。

finance.yahoo.co.jp

この投資信託、設定から2年経過しましたが、現時点でも基準価格は10,000円超を維持しており、2か月に一度の分配金は、10,000口で100円程度の分配を継続しています。

からくりは、「株価指数先物取引国債先物取引などを活用することで、信託財産の純資産総額の3倍相当額の投資を行ないます」ということでした。

つまり、レバレッジをきかせて収益が3倍になるとともに、損失も3倍になる投資信託のなかでもリスクの高い商品ということです。私は、少額で購入してみましたので、今後の値動きを見ていきたいと思います。

最後にまとめとして、

世界的な流れの中で、投資信託のコスト(販売手数料、信託報酬、信託財産留保額)は昔と比べかなり低減してきました。販売手数料不要のノーロード商品や、かつては1%を超えていた信託報酬が今では0.1%程度の商品も存在します。

フィンテックが日に日に進化するこの時代、コストを極限まで削減し、それほどリスクが高くなく、元本の取り崩しを行わず運用益の範囲内で、年率6%程度の分配金が支払われ公的年金の足しになるような商品が開発されればいいのですが…。

※投資は自己責任でお願いします。