持ち家VS賃貸

皆さんは「持ち家派」、「賃貸派」どちらでしょうか?

持ち家を所有することが一人前といった「持ち家信仰」の歴史はそれほど深くなく、戦前の日本は持ち家より賃貸物件に居住する人の割合が圧倒的に多かったそうです。

それが戦後の持ち家政策により持ち家の購入が推進され、住宅に対する価値観も変化しました。人々が住宅ローンを借りて「家」という高額な消費を行い家具や家電も新たに購入することは、日本の高度経済成長を支える要因の1つだったのでしょう。いわゆる団塊の世代といわれる人の中には、住宅ローンを借り持ち家を購入することが、人生プランにおいて当たり前のことだと考えている方が多い気がします。

しかし、現在は雇用環境において終身雇用制度が崩れ、サラリーマンであっても長期にわたる住宅ローンの返済期間を通して安定的に収入を得ることは難しくなっています。加えて、昨今のコロナ禍、2008年のリーマンショックのように、世界的な経済不況の影響を受けることもあります。

また、住宅を販売する建設メーカーの広告をみると、あたかも毎月の家賃と同額程度のローンを支払えば持ち家が手に入るような表記が散見されますが、住宅購入にはローン金利以外にも様々な費用がかかります。

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表に記載の費用の他にも、持ち家ではさらに外壁・屋根、配管・ボイラーといった設備の修繕や更新費用も自身で負担することが必要になりますので、例えば30年間住む家を確保することを考えた場合、一般的には賃貸の方が持ち家に比べて総コストは低くなります。

そういうわけで、私自身はどちらかというと賃貸派です。ただ、当然持ち家には賃貸にないメリットがあります。その1つが居住性の高さですが、一軒家や分譲マンションは賃貸物件に比べて使用されている建築資材や設備のレベルが高く、住み心地がかなり優れていると思います。

私自身、これまで複数の賃貸物件に住みましたが、いずれの物件も築浅で見た目はきれいでも「壁が薄くとなりの家の生活音が気になる」「冬場の結露がひどい」など何かしら不満に感じる点がありました。

また、退職後の年金生活で高い家賃を支払い続けることは、月の家計に占める負担が大きいことから、若い頃から資金を貯め退職前に住みやすい土地で、自己資金により持ち家(中古もあり)を購入することを検討した方が良い気もします。

持ち家、賃貸どちらを選ぶにしても、自身の生活環境や人生プランに合わせて最適な選択をしたいものです。